2024.5.2 share

Q1審査を通して得た気づき

審査を通じて、「クリエーティブの原点回帰」を感じました。
特に話題に上がった点は3つです。

1つ目は「基礎となるアート&コピーの大事さ」
Print&PublishingもRadio&Audioも、メディアの使い方を拡張するようなアイデアが増えてきています。そんな中でも、ビジュアルと言葉の強さは原点であり不可欠なもの。そして、決して失われてはいけない技術。この話は繰り返しされ、審査員全員が使命感に駆られている雰囲気すらありました。

2つ目は「感情の後に、理屈がある」
「美しい!」「ウケる」「グッときた」など、審査員それぞれの感情を大事に議論していました。その後で、いかにブランドに紐づいているか、いかに実行力があるか、などみんなの左脳で整理する。そんなプロセスでした。国や文化を超えても、感情起点で話ができる瞬間が、私はとても好きでした!

3つ目は「ローカルカルチャーの定義」
実はその国に根ざしたカルチャーに見えるものも、感情を紐解いていくと、その国以外の人たちも理解できるカルチャーだ、ということに気づきました。「ヒューマンカルチャー」とさえ感じました。(今回アジア内なので理解のスピードが速いのもあるかもしれませんが)国内向け、海外向け、という概念は、いらないのかもしれません。

Q2審査の中で印象に残った施策作品名とその印象について。



①PUNCTUATION BREAKS

アート&コピーが評価された事例です。記号でHave a Breakを表現するというシンプルなアイデアと極めてシンプルなビジュアルですが、骨太なものを感じました。数々のHave a Breakのコミュニケーションがある中で、佇まいも含め異質でした。



②HEAR MY LAST WISH

大きく感情を動かされた事例です。審査員一堂グッときてしまっていました。文字ではなく音だからこそ、ここまで人の感情を動かせるアイデア。音の力を再認識しました。「声」にはいかにその人が宿っているか、考えさせられました。



③THE UNTRANSLATED AD

ローカルカルチャーをもとにした事例です。「日本語」をテーマにしたアイデアは他にもあったのですが、なかなか他の国の言葉に根ざした施策は勇気が入りますよね。リスペクトしているつもりでも、そこまで表現できないこともある。そんな中、日本への愛を感じ、嬉しくなってしまいました。