2025.4.25 share

Q1審査を通して得た気づき

Healthcare部門は他の部門と構造が異なります。Film、Brand Experience & Activation、Innovationなど、この部門はサブカテゴリーが全領域に渡ります。審査員はまずその意義を考え、「Health is Life, not a part of life. (健康とは人生そのものであり、人生の一部ではない)」という合意をしました。

この考えを中心に据え、重視されたのが「The power of purpose(目的力)」でした。
「目的力」はアイデアの拡張性や持続性、さらにはカリスマ性を伴います。勿論それ以外の評価ポイントも多々議論されましたが、「目的力」は人生への影響力に通じるため特に重視されました。

Healthcare部門は人の健康だけがテーマではありません。人、社会、地球の繋がりの中で真価が問われるべきです。だから揺るがない「目的力」は、アイデアの視座を高めて人生の物語にコミットする。そう感じています。

Glass部門はアイデアの即効性が重要な評価軸だと感じました。この部門の目的を考えても実践的かつ機能的なエグゼキューションアイデアが重視されるのは必然だと思います。

Integrated部門では優れたエンタメアイデアが溢れるなか、勝敗の決め手となったのは人々とブランドとの「ゼロ距離感」でした。日常生活の導線上で自然とアイデアに没入させる「物語力」の大切さを強く感じました。

Q2審査の中で印象に残った施策作品名とその印象について。

①Handwash Legend

個人的にはHealthcare部門のベストワークです。HipHopカルチャーの手を擦る動作をハックしたアイデアは、手洗いを「面倒なやるべきこと」から「クールなやりたいこと」に見事に価値変容しています。MVを目にした子供たちの間でHandwashカルチャーが生まれる未来に期待しています。

②Eye Test Menu

トラックドライバーの「休憩時間」を「視界を得る時間」にスマートに価値変容しています。ドライバー達のQOLを向上させ、同時にインド国内の道路の健康(=安全)を著しく向上させるこのアイデアは、「個人の人生+社会の健康」という二つの意味で非常に大きな価値を示しています。

③Cold Call Back Service

冷凍庫に入れたビールの存在を忘れてしまい瓶が破裂する問題を、HipHopレジェンドのVanilla IceがCoolest(=Ice)に解決したアイデア。SMSから誰でも参加でき、34分後にVanilla Iceから粋なリマインドコールが鳴る。シンプルで便利、さらにブランドとのゼロ距離感はビールがもたらすに幸せな気持ちに通じています。